雑食シネマライフ

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【レビュー】『パーフェクト・ゲッタウェイ』(原題:A PERFECT GETAWAY)と、ちょっと『フライト・ゲーム』(原題:NON-STOP)

huluで鑑賞した作品『パーフェクト・ゲッタウェイ』と、劇場公開中の『フライト・ゲーム』のレビューです。
パーフェクト・ゲッタウェイ』については徐々にネタバレしていくので、後半を読む場合はお気をつけ下さい。


おすすめ感想

常夏のハワイ。
青い海、あおいそら、ギラギラ太陽、きゃぴきゃぴなミラ・ジョヴォビッチ。
目の保養にもってこいのバケーションムービー。

凄惨な殺人事件もちょっとしたスパイスみたいなもんで、程よい上映時間をいい感じに盛り上げてくれます。
溜まりに溜まったボルテージを吐き出すかのような後半の展開は非常に楽しいでした。笑いました。おすすめです。

少し内容に触れちゃう感想

映画ネタがちょいちょい出てくるので映画ファンとしてはそれだけでだいぶ楽しいです。
ニコラス・ケイジの語尾に力が入る感じが良いとか、ナチュラル・ボーン・キラーズとか、暴力脱獄や、メタ的楽しみが満載です。
脚本も「反則」っぽい伏線以外は個人的にはかなりアリ。
なにより映画脚本を物語の本筋に絡ませているだけあって、ネタが確定した後も細かい伏線をしっかりアハ体験させていくので飽きずに楽しめました。


「どんでん返し」をウリにする映画はパターンを知っている人にとってはあまり面白さの決め手になることがありません(そもそも「どんでん返しがあるよ」ということそのものがネタバレみたいなもんで、展開が読める読めないに関わらず観る前からオチだけ当たってしまうことがよくあります)
この作品のどんでん返しも、古くはアガサ・クリスティがやっちゃってる、ある意味古典的なオチでもあり、このオチだけで「面白い」と思わせるのは難しいです。案の定、想定内のパターンなのでオチそのものに驚きは無い。
しかしこの映画の場合「どんでん返し」を面白さの決め手にするわけではなく、そこから映画の印象そのものの転換へ持っていくあたりが良い!
ネタが割れた後のハイテンションなアクションは常夏のハワイの景観とマッチしまくりで、トニー・スコットダニー・ボイルを彷彿とさせます。個人的にはヒルズ・ハブ・アイズを観たときのような爽快感もあり、めっちゃ楽しかったです。
そして更にそこから小粋な感じで、いつのまにか「恋愛映画」?!という方向に持っていきます。


いいじゃん!この映画いいじゃん!


と、私は久しぶりに良作を発掘できたと喜んだのですが・・・あれ?なんかおかしくね?


以下ネタバレ


気になるところ

「反則」っぽいシーンを観た際に「ああ、こういう会話が成り立つってことは、この人は犯人じゃないな」と考えたのを思い出し、その場面を再度確認。
ううーん?!やっぱりなんかこの台詞おかしくね?
英語がわかる方でこの映画を鑑賞した人にぜひ教えてもらいたい。


この映画はフェアだったのかと。


吹き替えか英語字幕が手元にあれば確認したいところなんだけれど・・・
たとえば「ミッション:8ミニッツ」では肝心な部分の訳を意図的なのかミスなのか、ちょっと変えているせいで話に説得力が無くなっていたりします。
この『パーフェクト・ゲッタウェイ』もそのような事故が起きているのでは?!と。


反則っぽいシーン

羊解体中、テント内のシーンで「逃げよう」というミラ・ジョヴォヴィッチに「彼らが人殺しだからか?」みたいな台詞をロッキーが言うんですよ。
殺人犯はお前じゃん?なんでそんなこと言うの?

テイキング・ライヴスを徹底するため「殺人犯におびえる新婚夫婦」を2人っきりの場面でも演じているんだ、という解釈の人もいたけれど、それはさすがに納得できんなあ・・・と。
この場面本当にこんなこと言ってるんだろうかと、ここだけ反則というよりただ矛盾しているぞと。

いや、一番しっくりくる意味としては

「ニックたち異常だし戦場で余裕で人殺ししてるよね?このままいて俺たちサイコ野郎ってバレたら逆に殺されるんじゃね?でもいきなり逃げると怪しまれるから、ちょっと様子みてビーチまで行くか」

ってことだったのかなあ。

動機

犯行の動機が「他の人とは世界の捉え方が違うのさ」は物語的にそれほど問題は無いと思うんですよね。というよりサイコキラーの動機に普通の感覚を持ち込む方が萎えるというか、むしろ説得力は無くなってしまうのでこんな凶行を働く犯人の動機はこのくらいぶっ飛んでいて良いと私は思ってます。
ミラが中盤で語る秘密も「私はちょっと異常」感が出ていて良かった。
クライマックスで神ポジションになってしまうミラの状況は微妙だけど、彼女の心情を表す意味では、アリかもなーと。
ただあんな信憑性薄い情報で射殺するか?とは思ってしまうが。

そんな感じで面白さの為に犠牲となるディテールは余裕で目をつむることはできるんだけど、テントでの会話だけはなー、納得いく答えが欲しい。できれば、翻訳がイマイチだった、ということであってほしい。
そんなこんなでわかる人いたら教えてください。

『フライト・ゲーム』(原題:NON-STOP)


映画『フライト・ゲーム』予告編 - YouTube



パーフェクト・ゲッタウェイ』を観る前に『フライト・ゲーム』を鑑賞してきました。
これが、展開は面白いのにオチが弱くてちょっと惜しい映画でした。
緊張感の持続のさせ方やキャラの引き立て方が良い感じなのですが、如何せん真相とその後の展開が盛り上がらなくて。
犯人の動機はものすごく微妙で、あの動機にするなら感情移入できるような描写をもっと入れてほしいし、
真相判明後の展開も、クライマックスまで結構いい感じに盛り上がってきたので肩すかし感が否めない。
なによりこの犯人、どういう計画立てたのよ?いろいろ都合良く行き過ぎじゃね?と。
正直、面白かっただけに後半の展開は残念でした。
同じ監督の『エスター』良かったので期待したんだけれどなあ。
(『エスター』も真相解明後はイマイチ盛り上がらない作品ではあったけれど)
犯人探しがメインの内容だったので、その犯人のインパクトが薄いとどうしてもつまらなく思えちゃうんだなあと。
リーアム・ニースンの渋いアクションは好きです。

そんな『フライト・ゲーム』より『パーフェクト・ゲッタウェイ』の方が数倍面白かったという方のレビューを読んで、ついつい観ちゃった、ということでまとめてレビューでした。

『フライト・ゲーム』『パーフェクト・ゲッタウェイ』どちらの映画を観ても思ったことがあります。
やっぱ男は強くなければ!ほんのちょっとじゃ死なないたくましい生命力あふれるミラクルマッチョメンにならなければ!