【レビュー】サン・ジャックへの道(原題:Saint Jacques... La Mecque)

フランスからスペインにかけて伸びる巡礼路。

聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの1500km。そこをひたすら歩く映画。

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(2014年初映画です!)

数年前にチャットで知り合った方にお勧めされた映画。
何度も「もう観た?」と聞かれ「まだ観てない」というやり取りを繰り返しました。
その後チャットは閉鎖され、もうその人とも話すことは出来ません。

……

早く観ておけばよかった!
「超よかったよ!教えてくれてありがとう!」って言いたかった!

(もしこれ読んでたら連絡ください)

トラブルメーカーばかりの巡礼

サスペンスドラマのような不穏なオープニング。
風景は綺麗なのに流れるBGMはどんより重い雰囲気の重低音。
睡眠中の場面は幻想的で意味不明で不気味。(この感じ大好きだけどね!)
ほのぼのロードムービーかと思いきや、全然違った。

 

遺産相続の為に仕方なく巡礼する三兄妹。下心丸出しで参加する男子生徒。行き先はキリスト教の聖地なのにメッカと信じて疑わないイスラム教徒…。
巡礼者たちは皆それぞれ何かしら問題を抱えている。

そんな彼らの旅路はトラブルばかり。それでも歩く。ただひたすら歩く。

重い荷物は途中で放棄(不法投棄よくない!)いがみ合ってた人々も、互いの人となりを知るうちに、かけがえの無い仲間へ。
金持ちで嫌味な奴かと思っていたら、そうでもなかったり。
救いようの無い駄目人間かと思っていたら、そうでもなかったり。
人にはそれぞれ事情があり、それぞれ愛せるところがある。

「お前は皆に好かれ、女の扱いも上手い。他に何が必要なんだ?!」

人生に必要なものはそれほど多くないのかも。

人種や宗教を全部笑いに変えるこの映画から得られる感動は、すごく大切な気がした。

 


オープングがかっこよかった。タイトルクレジットのフォントも好き。

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たまにはこういう旅に出たい。2ヶ月間歩き続けるのは厳しそうだけど。

正月に観るには丁度いい、人生楽しもうと思えるいい映画でした。

 

(この巡礼を扱った作品でパウロ・コエーリョ星の巡礼』があります。読んだこと無いです。『アルケミスト』よかったし読んでみようかな。でもこの人の作品、宗教色強いんだよな。)

 

スタッフ&キャスト

監督:コリーヌ・セロー
脚本:コリーヌ・セロー
製作:シャルル・ガッソ
製作総指揮:ジャック・アンスタン
撮影:ジャン=フランソワ・ロバン
美術:アントワーヌ・フォンテーヌ
編集:カトリーヌ・ルノー
衣装:カレン・ミュラー=セロー
音楽:ユーグ・ル・バール,マドレーヌ・ベッソン,シルバン・デュブレ
キャスト:ミュリエル・ロバン,アルチュス・ド・パンゲルン,ジャン=ピエール・ダルッサン,パスカル・レジティミュス,マリー・ブネル,エメン・サイディ,ニコラ・カザレ,マリー・クレメール,フロール・バニエ=モロー