【ミニレビュー】ブーリン家の姉妹 [DVD]【映画】

★★★★☆

男の愛など無価値。

史劇を鑑賞する際の悩みどころは、その歴史を知っておくべきかどうか。
何も知らない方が展開を純粋に楽しめるのだろうけれど。
今回は予備知識ありきで観たおかげで「解釈を楽しむ」ことが出来た。
ヘンリー8世。アン・ブーリン宗教改革
なるほど。そういう描き方もあるのかと。
「歴史」のもつ曖昧さは物語の宝庫だね。
恋愛。結婚。政治。宗教。
あらゆるものに縛られて。そしてそれをかなぐり捨てて。
ドロドロ過ぎる愛憎劇は勢い良くクライマックスへ。
王を釣る餌としての女性。子供を生む道具としての女性。
出産にこれほどのプレッシャーを与えるなんて。
母体に良くないなあ…。命を継ぐ行為に畏敬の念を抱く。
これを観たら『エリザベス』を観たくなること間違いなし。

それにしてもエリック・バナがハマリまくり。
王の貫禄と思慮深さと強欲さが、絶妙に交じり合ったあの表情。
たまらん。